「国立嘉義大学×尾道市立大学 交流展」5/27(日)まで開催中です

ゴールデンウィークも終わり一週間、暑さを感じる日も増え、朝から日射しが眩しく感じられるようになってきました。

428日(土)より、当館として初の国際展となる「国立嘉義大学との交流展」が開催中です。

本展はMOU尾道市立大学美術館と商店街にある尾道市立大学サテライトスタジオの2箇所で同時開催しています。
当館では、国立嘉義大学から9名による12点の作品を、尾道市立大学からは13名による30点の作品を展示しています。




展示室の中央に置かれている陳箐繡(Jin-Shiow Chen)先生の《辣椒粉與黴菌的跨時空對話 (I, II, III)》(The Crossing-time-and-space Dialogue between Red Pepper and Mold (I, II, III))。

層状になったものが白いフレームに囲まれています。この層は身の回りのありふれた存在である香辛料、唐辛子の粉末を使っているそうです。香辛料を身近に感じるという経験がほとんど無いので、暮らしの中に根付く風土の違いを感じることのできる作品でもあります。
目の前にしてみると、絵具に使われる顔料の乾いた感じに比べ、粉末の湿ったような生々しさを感じました。かすかに匂いまで漂ってくるようで、嗅覚まで刺激されます。




写真右手前に展示している廖瑞章(Ray Liao)先生の《有機型態2017》(Biomorphic Abstraction 2017)。

灰のような色をした、楕円が二つくっついたようなボテリとした形に、白い突起のようなものがついて、穴があいています。
自然界に存在する有機的なかたち、種子や蛹等の人々の良く知っている物体を用いて作品制作をしているそうです。
どこかで見たことのあるような形のようで、どこにもいないような奇妙な生き物のようにも見えます。その曖昧な形は、鑑賞者である私たちの記憶や思い出の中で出会ったことのある形と関係をつくろうとしてしまう、そんなことを想起させられる装置のような存在です。




左の壁一面に広がる作品は、小野環先生の《Gardens 03》。

9枚のパネルにアクリル絵具で描かれた街や家、路上が組み合わされた世界が広がっています。大小様々な大きさの植木鉢が並び、構築され、道路や路線図があちらこちらを走っています。
点としてモチーフが機能していたり、要素が集まって図と地が逆転して見えたりと、視点を変えると別のものごとも見えてきそうでじっと見ていられる作品です。




写真右手に展示された立体作品は、桜田知文先生の《金風》。

3種類の金属で組み合わせられた、立体作品です。金色と銀色と緑青色の金属が、異なったテクスチャーを持ちながらもそれぞれに働きかけ、一つの空気をまとっているように見えます。
「風」をテーマに制作された、《金風》というこの作品は金属のキリッとした鋭さと柔らかい曲線が円を基本とした形に組み合わされていて、風の吹き抜ける風景が思い浮かぶようです。


ご来館いただいた方々からは、「両大学の趣の相違が見えた」「交流展という試みが新鮮で、画材も様々で面白かったです」という言葉も頂いています
「国立嘉義大学との交流展」は5/27(日)まで、会期も残り2週間程となっています。普段なかなか目にすることのない企画の展覧会です。この機会をお見逃しなく、皆さまのご来館お待ちしております。




<現在開催中>
「国立嘉義大学との交流展」  
2018年 4月28日(土)〜 5月27日(日)
会場 MOU尾道市立大学美術館・尾道市立大学サテライトスタジオ
開館時間 10:00 - 18:00
休館日 水・木曜日(祝日開館) 
入場無料

台湾の国立嘉義大学ヴィジュアルアーツ学科と本学美術学科の交流展です。美術学科教育研究プロジェクトとしては初の国際交流展となります。










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