ギャラリートーク開催しました

開催中の「菅原智子展 −まだ知らない風景−」関連イベントとして、昨日(10/29)ギャラリートークを行いました。雨で足下の悪い中ご参加いただいた皆さま、どうもありがとうございました。

聞き手に本学美術学科准教授の小野環氏を迎え、対談形式でトークは進んでいきました。
「絵を始めたきっかけはなんでしたか?」の質問から始まり、6歳の頃から通った絵画教室、大学生の頃イタリアに留学、イタリアの自由な空気に惹かれ十数年暮らしていたこと、そして現在まで。
どんな人と出会い、どんな物を見て、どんな影響を受け、どんな絵を描いてきたか。画家として歩まれてきた人生について、話していただきました。
絵を描くことが息をすることと同様に、あまりにも当たり前で。だからこそ揺るがない強さがあり、一生懸命に描き、生きるための努力をされてきたのだと感じました。



(左から)菅原智子、小野環

本展の副題である、まだ知らない風景とは?」という質問からは、作品についてのお話しに移りました。キャンバスに一筆、すると変化が起こる、次の一筆はどうする、また変化が起こる、ではまた次は、、、絵具や素材の変化にどれだけ自分を委ねていけるか。自分の意志を出したくないのは、自分でも見たことがないものを見たいから、まだ知らない風景に出会うために、という想いから付けられたそうです。




皆さまからの質問も多く頂き、質問をきっかけに詳しく知ることもありました。自分の意志がある線は、もう手が知ってしまっているから描きたくない。しかし自分は絵に執着しており、だからこそ作品にとって最良の状態でみせるための工夫を惜しまないこと。
作家と作品の距離がないくらいに近く、とても強い意志の元に作品が作られてきたことが伝わる時間でした。作家と作品の関係はとても個人的なようで、しかし本人は自分を消すことを強く意識しており、相反する部分を持つように思いました。それはきっと簡単ではないことも想像されます。




お話を聞くことで、多くの知らなかったことを知ることができました。知ることで作品の印象が変わることはなく、始めに感じていた作品の懐の深さの理由を、知れたような気持ちでいます。




本展は1987年から2017年まで、30年の作品の歩みを見ることができます。時間の流れを共に歩むように、ゆっくりとお過ごしいただけたらと思います。作品はどれも鑑賞者を迎え入れ、包み込んでくれるように、やわらかくあたたかいです。




〈現在開催中〉
「菅原 智子展 −まだ知らない風景−」  

2017年 10月28日(土)〜 12月10日(日)

開館時間 10:00 - 18:00
休館日:水・木曜日(祝日開館) 
入館無料

※尾道市立大学サテライトスタジオ・ウィンドウ展示
11月13日(月)〜12月2日(土)
本学美術学科非常勤講師・菅原智子による個展です。
菅原はイタリアと日本を往復しながら、各国で展覧会を開催しています。
油画・テンペラ・モザイク壁画など様々な技法を追求してきた、
創作の軌跡を紹介します。









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