12月14日 アーティスト・トーク


この日、会期中第2回目となるアーティスト・トークを行いました。今回は展覧会タイトルの「陰・陽」にも深く関係する、陰陽思想についてのお話がメインテーマです。

児玉先生は、古代中国の都城計画の元になっている「陰陽五行説」から着想を得て、自身の美術作家・環境造形家としての創作活動に活かしています。





古代日本の都の造営も中国から伝わった、この陰陽五行説に基づいているというのが、児玉先生の持論です。

大阪府高槻市にある古墳から、中国・魏の時代に鋳造され日本に伝わったことを裏付ける「銅鏡(卑弥呼による使者が持ち帰った100枚のうちの1枚)」が出土したこと。そして銅鏡には方角(北を意味する玄武、南を意味する朱雀など)や、時や方位(十二支:子、丑、寅、卯など)が描かれ、これが日本でいえば藤原京・平城京・平安京といった宮都造営計画の基本思想となっている…。

壮大な歴史のお話が続きました。




大阪府高槻市の安満宮山(あまみややま)古墳より出土の、
銅鏡レプリカを会場で手に取って見ていただきました。




陰陽思想から着想を得て、実際に制作した作品のマケット(模型)を解説する児玉教授。






児玉先生の説によると、ここ尾道や、同じく県内の厳島神社のある宮島など、古代陰陽思想に基づき都市計画された場所が各地にあるということで、これからの検証・研究が待たれるところです。
トーク後半では、先生が京都市立芸術大学に進学し彫刻を学ぼうと思ったいきさつや、大学卒業後、建築の世界へどのように進むことになったかなどにまで及びました。

全2回でお送りした、アーティスト・トーク。長年にわたって創作活動を継続されてきた児玉先生ならではの、実感のこもった言葉の数々を聴くことのできる貴重な機会となりました。足を運んでくださった皆様、どうもありがとうございました!

※陰陽思想を取り入れた児玉先生の空間造形論については、2013年度内刊行予定の著書『石工のこころ見聞記』でも詳しく紹介されると思います。
興味のある方は是非ご覧ください。



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