9月18日「いるか如何か」



対峙という言葉がぴったりくる。塩出麻美さんの「いるか如何か」。
髪を束ねた人物が、真っ直ぐにこちらを見つめている。その視線は、睨んでいると言っても良いほど、鋭い。優しさとかあたたかさといったものは皆無だ。
ここにあるのは、悩みである。闇である。ここにいるのは、思考のなかの自分自身だ。

この人物は、もちろん自分ではない。しかし紛れももなく、わたしだ、と思ってしまった。誰かに話すようなことではない、心のなかでのみ考えるときの。深い、どうしようもない、あの心境を、経験しているときの孤独な自分自身。
誰にでも経験がありながら、誰とも共有できない孤独感を、たしかに感じることができた。

MOUインターンスタッフ 安達


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